黒船を叩き、黒船を育て、自ら黒船となる。

ミャンマーの事業を無期限休業し4月11日に帰国してから、気付けば約6ヶ月が経過しました。

この間、多くの方に自分自身の人生の振り返りや、今後の挑戦についてのブレストに付き合ってくださり大変感謝しております。

これまでに合計100名以上の方とオフライン中心に会いまくりましたが、幸いにしてコロナに感染することなく、無事にワクチン接種も二回終えることができました。(PCR検査を2週間毎に受けてコロナ感染リスクを最大限減らす努力はしていました!)

今後の人生について悩みに悩んだ結果、ようやくこれからの挑戦が明確になってきたので、今回は自分の苦悩の変遷を綴りながら新たな決意表明をさせていただきます。

かなり長文(13,000字オーバー)なので、本来であればコンクルージョンファーストで結論を先に書くべきですが、敢えて自分の迷いの変遷をそのまま書きたかったので、結論が見えずにダラダラ書いていきます。(なかなかブログ記事で大きなことを掲げることは恥ずかしく感じる年齢になってきましたが、将来の自分に対して、今の気持ちを残す備忘録として。)

もし結論だけ気になる方は、下記目次から最後の結論へジャンプして下さい!(結論だけでも3,000字オーバーです,,,笑)

ミャンマーとHi-Soのその後

ミャンマーの情勢は私が帰国したタイミングから改善することはなく、引き続き非常に厳しい状況が継続しています。

民衆側が支持する国民統一政府(NUG)は一向に解決の兆しのない状況に痺れを切らし、国軍側に対して宣戦布告とも読み取れる発表をし、現地の状況はますます悪化の一途をたどっています。(ヤンゴンでは大きな衝突はなさそうですが、引き続き予断を許さない状況。)

また自分の周囲でも、帰国直前までよく一緒に過ごし、森崎ウィンさんを起用したHi-So宣材写真撮影やミャンマー貧困層へのお米寄付活動”RDM”の動画制作を手伝ってくれたダンさんが未だに刑務所で拘束されたままです。

民衆側でも軍側でもなく、中立な立場でドキュメンタリー映像製作のために取材を続けていたダンさんが拘束されたことについては非常に悔しいです。

ダンさんについて詳しく知り合い方は、こちらの記事をご参照下さい。

一方でHi-Soは、無期限休業を決定した際に事業再開の条件として、

①治安情勢の安定化

②ユニコーン競合他社の撤退

を掲げていたのですが、現状、①、②ともに大きな改善、変化が見込まれないことから、残念ながら再開の目処は立っておりません。

資金調達を終え、まさにこれからというタイミングでの無期限休業は非常に悔しい気持ちで一杯ですが、ミャンマーの事情に関係なく資金調達ができるGrab, Food Pandaなどのテックジャイアントが市場に存在し続ける限り、同じ土俵で同条件では戦えないため、4月に無期限休業を決断したことはやはり正しい判断だったと考えています。

Hi-So事業無期限休業に伴い、ミャンマーでの主な事業は一旦ストップすることになったものの、引き続き日本からできる支援や活動は継続していきたいなと思うので、もし私に何か出来ることがあればご連絡下さい!

すごろくの振り出しに戻って

帰国後に多くの方とお話しする中で頻繁に投げかけられた言葉があります。

「ミャンマーでの活躍、Facebookやブログを見て陰ながら応援してました! 大変だった経験を経て、これからどのような挑戦をするのか楽しみにしてます!」

この言葉を聞くたびに、次の自分の挑戦への期待をプレッシャーに感じたとともに、 その期待を裏切らず、自分らしい面白い人生を送りたいとも強く感じました。

またこの言葉を投げかけられ続けることを通して気付いたことがもう1つあります。 

それは「高田健太の人生そのものが、周囲の人からするとひとつのエンターテイメントである。」ということです。

友人の多くは知っている話ですが、私の父親は上方落語の落語家です。

物心のついた頃から、自分は将来、親の職業を継ぐのかどうかを周囲から問われ続ける人生を歩んできました。

幼い頃は古典落語の内容を理解することができず、落語会に行ったとしても、父親の舞台をしっかりと見ることもなかったのですが、高校生になり漸くネタが理解できるようになると、改めて父親の偉大さと落語に対する熱意を認識することができました。

父親がよく言っていた「好きこそものの上手なれ」という言葉の意味を考えると、自分は落語に対して狂うほどの愛と情熱がなく、仮に継いだとしても中途半端になることに気付き、それであれば父と同じ落語家を継ぐのではなく、父とは異なるビジネスの世界で活躍したいと思い、今日までビジネスマンとして挑戦を続けてきました。

落語家という職業は、日本が誇る伝統芸能というエンターテイメントであり、私の父親はまさに1人のエンターテイナーでした。

父親はエンターテイナー、私はビジネスマン

これが私のこれまでの認識でした。

ですが今回、改めて様々な人とお会いする中で、自分自身も父親とはフィールドは違えど、ビジネスや挑戦を通じて周囲の人々が時折ワクワクしてくれているのであれば同じエンターテイナーの1人なのではないかと気付きました。

 

父親は落語というエンターテイメントを使ったエンターテイナー

自分はビジネス(生き様)というエンターテイメントを使ったエンターテイナー

 

落語のネタも誰かの生き様であり、落語のネタになるような人生を自ら体現するのが、自分自身がエンターテイナーである条件なのだと気付かされました。

ではそもそもエンターテイメントとは何だろうか。

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エンターテイメントとは?

ここでエンターテイメントの1つである映画をもとに、エンターテイメントとは何かを考えてみましょう。

映画の大半はハッピーエンディングに向けて、紆余曲折のあるストーリーを繰り広げていきます。

例を上げるまでもなく、皆がお思い浮かべる作品のほとんどがそうでしょう。

ですが、作品の中には一部、バッドエンディングを迎えるものもあります。

例えばシックスセンスとか。

見ている人からするとバッドエンディングは気持ちの良い終わり方ではないものの、バットエンディングだからこそ得られる気付きや学びもあるでしょう。

では総じてエンターテイメントという括りの映画の中で、絶対に存在しない映画のストーリーは何でしょうか。

それは、起承転結の”起”が一切なく、ただただ時間が過ぎていくストーリーです。

起承転結の”

これがつまり映画(エンターテイメント)の必要条件であり、”起”のないストーリーはエンターテイメントにはなり得ないということです。

人生で考えると、”起”のない人生。

つまり、”何も起こらない” = “挑戦をしない”人生はエンターテイメントにはなり得ません。
(”起”のない人生がダメで、皆、挑戦しろー!と言っているのではなく、あくまでも人生をエンターテイメントにするには、そこに”起”は必要条件だということ。)

ハッピーエンドがあってもいいし、バッドエンドがあってもいい。

でも”起”のない人生はエンターテイメントではない。

だからこそ、常に”起”を起こし続ける人生を歩もう。

これが帰国後の約5ヶ月間で気付いた、今後の人生の指針になりました。

 

自分は将来、どうなりたいのか。

「“起”を起こし続け、自分の人生をエンターテイメントにしたい。」

という抽象的な人生の軸は決まったものの、では短期、中期、長期的に自分は具体的に何をするのか。

その問いに対する解は、実はミャンマーでのHi-So事業の挑戦を通して既に見付かっていました。

その解は投資家として、挑戦者の夢を応援する存在になりたい。

ミャンマーでのHi-So事業は、従業員、配達員、投資家、加盟店、ビジネスパートナーなど多くのステークホルダーに支えられてきました。

そんな中でも投資家は、創業者以外で最も最初にリスクを取ってくれたステークホルダーであり、投資家からの金銭面での支援があったからこそ、従業員や配達員を雇い、事業を継続することが出来ました。

以前、別ブログ記事でも投稿した通り、我々のようなスタートアップは成長のために赤字を覚悟で先行投資をおこない、その投資をもって事業を急拡大させる成長モデルです。

そのため起業家は、自分の夢に賛同してくれる投資家が見付かって初めて挑戦権が与えられるため、決して誰もがスタートアップ起業家として挑戦できる訳ではありません。

自分自身の場合はミャンマーという未知数な環境であったにも関わらず、自分の夢を応援してくれる投資家と繋がることができ、それがあったからこそHi-So事業をここまで続けてくることができました。

結果としてHi-So事業は無期限休業になり、多くの株主の方にはご迷惑をお掛けする結果となりましたが、多くの株主の方から励ましのお声も頂き本当にありがたい気持ちで一杯でした。

折角のご縁を今後も紡ぎ何とか結果で恩返しをしたいという気持ちは今でも強く思っていますが、それと同時に、投資家から起業家である自分に渡されたバトンを、しっかりと次の世代(起業家)にも繋ぎたいという想いも大きくなりました。

誰かの夢を応援する存在。

これこそがエンターテイナーとしての人生におけるHOWの部分であり、自分の事業や投資先の事業を通して、世の中をより良くしていくことが人生における目標になりました。

ではそこに行くには具体的にどのようなプロセスがあるのか。

ここで目の前に最初の2つの分かれ道が現れました。

VC or エンジェル投資家

投資家の立場から起業家を応援する場合、具体的にはベンチャーキャピタル(VC)などの組織として支援する方法と、エンジェル投資家(個人投資家)として個人のお金で支援する方法の2つがあります。

「誰かの夢を応援する存在」になるには、自分はどちらの道を進むべきか。

そこをハッキリとさせるべく、具体的にどのような対象をどのように支援をしたいのか考えてみることにしました。

まずそもそも投資家の投資先への支援スタイルには様々なパターンがあり、経営への関与が強い方から順に下記三種類があります。

・ハンズオン→経営者の悩みを解決しながら事業運営に参画
・ハンズイフ→必要に応じてお手伝い
・ハンズオフ→基本的にはお任せ

果たして自分はどの立場で支援がしたいかと考えると、やはり一緒に事業を作り上げる体験をしたいという気持ちが強いと分かったため、投資スタイルとしてはハンズオン or ハンズイフを希望することが分かりました。

一方で事業を共に作り上げる場合、投資家にはお金以外にも起業家へ還元できる強みがないといけません。

現時点での自分の強みは何か。

商社時代、ミャンマー起業家時代のことを念頭に置くと、海外での起業経験、英語での交渉力など、”海外”というキーワードが浮かびました。

支援のスタイルと自分の強みが明確になった上で改めて自分が支援したい対象を考えると、それは「グローバルに挑戦したい or 挑戦している起業家で、かつ投資した場合、事業運営にも関わらせてくれる起業家」と具体的にイメージが出来ました。

となると、海外起業家への支援ができるVCに入って経験を積んだ後に自らVCを立ち上げ、組織として誰かの夢を応援するのか。それともエンジェル投資家として、自ら稼いだお金をもとに自己資金で投資をするのか。

大規模でより大きな投資活動をするなら組織がいいだろうし、一方で、小規模かもしれないが自由に投資活動をするならエンジェル投資家。

悩ましい。

ここで最初の悩みポイントが訪れました。

そこで目を瞑り、具体的に投資家としての自分を姿を想像してみました。

 

すると頭に思い浮かんだ姿はまさに大阪の商人。

起業家からのピッチを聞いて一言。

「その事業は儲かるか分からんけど、なんかキミ面白そうやし、一緒にビジネスしたいから、おっちゃんに応援させて!」

 

はい、これは完全にエンジェル投資家です(笑)

 

スーツを着てエクセル叩いて細かくリスク・リターンを見るのではなく、人ありきで投資をして、一緒に事業を作っていくような姿。

そして、それが許されるのは、好き勝手自分で投資先を選んで投資できるエンジェル投資家だけ。

この姿が思い浮かんだからこそ、「自分が理想とするのはベンチャーキャピタリストとしての支援ではなく、エンジェル投資家としての支援だ。」と分かり、最初の「VC or エンジェル投資家」という悩みは無事に解決しました。

ただ勿論、エンジェル投資家になるには十分なお金が必要で、多くのエンジェル投資家は自分自身が起業して生まれた利益の一部をエンジェル投資の資金にしています。

となると自分も起業家として再挑戦するべきだし、むしろ再挑戦がしたい!

では具体的に何の事業をしてお金を貯めるのか。

ここで目の前に浮かんだのは「ミャンマー」を掛け算として残すのか否かという大きな問いです。

掛け算としてのミャンマー

今回クーデターを受けてミャンマーから撤退したものの、2011年11月に初めてミャンマーを訪れてから10年間関わってきたミャンマーには思い入れがあります。

なので、まずは今のタイミングのミャンマーでスタートアップ起業家として再挑戦する場合、再度、投資家からお金を集めることは可能かを考えてみました。

その問いに対する自分の答えは前回の記事に記載した通り、現実的には非常に厳しく、ミャンマー国内で売上を上げるスタートアップへのVC主導の投資は少なくとも10年間(5年間の政権×2期)は難しいと判断しました。

その理由は、今回の軍事クーデターが”悪しき前例”として投資家の脳裏に刻み込まれた結果、今回の2011年以降の民主化プロセスを上回る安定した政権運営がない場合、VCは出資者(LP)に対してネガティブリスクが取れず、つまり2011 – 2021年の10年間(2期)を上回る安定的な政権運営がない限り、VCからの投資は戻ってこないと感じたからです。(あくまでもVCによるスタートアップ投資に限るので、スモールビジネス型やエンジェル投資家からの投資活動はより早期に再開すると思います。)

ではミャンマーのスタートアップ投資が100%止まるかというと、そこには例外も存在すると考えます。

具体的には、ミャンマー国内で売上を上げる場合はVCからの資金調達は不可能に近くなると思いますが、一方で売上をミャンマー国外で計上するビジネスモデルであれば資金調達が可能なのではないかと思い、次にその方法を模索してみました。

ビジネスモデルとして国外で収益を上げる場合、スタートアップ型になりにくい輸出型製造業を除いて頭に浮かんだのは外国人材ビジネスとオフショア開発事業です。

特に外国人材ビジネスは、クーデターを受け海外で留学や就労をしたい人が増えているからこそ彼らの将来に役立つだろうし、また同時に業界の闇が深く旧態依然だからこそスタートアップ的アプローチで業界の闇を壊しにいけば面白そうだなとワクワクし、一時期、かなり具体的に事業プランを考えていました。

ですがコロナ感染拡大に伴う国を跨いだ往来の制限や日本語能力試験の運営停止などを考慮すると、なかなか事業開始が見通せず、また色々と諸先輩方からのアドバイスも受け、このプランは一旦、保留としました。

ただこの分野、もし我こそは業界の闇をぶち壊す!という強い意気込みの起業家が居れば是非ご連絡下さい!

具体的なビジネスアイディアをお伝えしますし、起業する際には多少の出資やトゥンカインとしてミャンマー人への宣伝もやります。

なのでフルコミットでは関われないですが、もし我こそはという挑戦者がいれば一緒に挑戦しましょう!(初のエンジェル投資家案件はキミだ!笑)

一方でオフショア開発については、まさにオフショア開発をミャンマーでやられてる方に色々と話を聞いたところ、エンジニアの能力が圧倒的にベトナムには劣っておりNEXTベトナムには程遠く感じたため、これも難しく感じました。

自分にエンジニアとしての能力があれば地頭の良い人材を育てながらという選択肢もあったんですが、そこがないので仕方ありません。

となると今このタイミングのミャンマーで私がスタートアップ型事業を挑戦するのは難しい。

そう冷静に判断し、ミャンマーは副業、お手伝い的にできることは継続するものの、次の挑戦という意味では、一旦、”ミャンマー×〇〇”のミャンマーという掛け算を外すことにしました。

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成長産業 or 成長市場

Hi-Soの投資家であり役員も務める加藤順彦さんと話した際に、「スタートアップ起業家は成長産業か成長市場かのどちらかで挑戦すべき。」との言葉をいただきました。

スタートアップ起業家にとって至極当然の話なんですが、その基本を忘れかけていた自分は少しハッとしました。

ここでいう成長市場は”国”という意味であり、今回の私のミャンマーでのHi-So事業はビジネスモデル自体はユニークではなかったものの、”ミャンマー”という国の成長に合わせって事業拡大させるという意味で投資家の興味関心が高まり、起業家として挑戦できることになりました。

では今回、成長市場としての”ミャンマー”に一旦、✕(バッテン)が付いたとすると成長市場に振るのもいいのではないか。

そして成長産業に振るのであれば、国内市場のみを対象とするものや、短期目線で盛り上がっている事業領域ではなく、グローバルで中長期的に必ず伸びる産業で挑戦したい。

では一体どういう分野があるか。

中長期で今後も盛り上がり続ける領域を考えると、下記分野がなんとなく頭に浮かびました。

量子コンピューター、AI、ブロックチェーン、再生医療

ただそれぞれの領域はある程度は書籍等を読んで知識はあるものの、なかなか掴みきれていません。

またこれらはTechnology Orientedな分野のため、非エンジニアの私にとってはなかなかとっつきにくくバリューを発揮し辛い分野でもあります。

ではこの中で非エンジニアでも活躍できる余地のある分野はどれか。

この答えはブロックチェーン領域ではないかと感じました。

その理由をここで細かく説明すると専門的な話題になるので避けますが、簡単に説明するとブロックチェーンはインターネットのようなものであり、インターネットもそれ自体に(金銭的)価値があるかというと、それ自体に価値はあまり見出されず、むしろインターネット上に存在するアプリやサービスがインターネットの価値を高めています。

ブロックチェーンもこのインターネットの発展に似ており、今後ブロックチェーンを活かした様々なサービスやアプリケーション(dApps)が普及するにつれブロックチェーンの価値が高まり、その価値を生むブロックチェーン起業家へのニーズは今後、高まり続けるのではないかと。

ブロックチェーンが気になる方は、DAO, DeFi, dApps,NFT,GameFi (Play to Earn),トークンエコノミーとかのトレンドワードを少し調べてみてください。

最初は、(?_?)となるでしょうが、しっかりと理解できれば、今起こっている未来に繋がる道を少し知ることができると思います。

そしてもう1つ、中長期的に伸びる分野の中でブロックチェーンにまだまだ可能性があると思った理由は、最も世の中の人が理解しておらず、”怪しい”と感じている領域がブロックチェーンだからです。

現在、ブロックチェーン = ビットコイン = 投機商品と考えている人が世の中の大半だからこそ、ブロックチェーン業界人の殆どは、ギークなエンジニア or 投機家(NOT投資家)であり、その他の事業領域に比べると起業家レイヤーは相対的に少ない印象です。

こんなに将来性があるにも関わらず、世の中の大半が怪しいと思っている領域はチャンスでしかありません!(勿論、”ブロックチェーン”を謳っただけの怪しいスタートアップや企業は沢山ありますが,,,)

よし、成長産業に振ってブロックチェーンで起業だ!

そう意気込んで調べてみると、日本でのブロックチェーン起業の難しさが見えてきました。

日本でブロックチェーンビジネスの起業は不向き

数年前の日本はブロックチェーン領域で、世界トップの取引所やエンジニアを有する市場でした。

ですが2018年に起きたコインチェック事件をきっかけに消費者保護の観点から金融庁が業界を規制した結果、気付けば取引所の規模は大きく世界から離され、ビットコインの国別保有量でも日本は大きく出遅れてしまいました。

一方で日本のそのような保護的な状況を横目に、ブロックチェーン市場での覇権を握ろうと、先鋭的な法整備や規制を進めてきた国があります。

その筆頭がアジアではシンガポール。

シンガポールは取り扱いの難しかった暗号資産に対する規制や法整備を整えた結果、今では多くのブロックチェーン起業家や法人を世界中から集まっており、日本からも多くの優秀なブロックチェーン起業家がシンガポールへ移住していきました。

もしこの分野で起業するのであれば、日本で起業することは税制等様々な観点から事業者にリスクが大きすぎる。

そして多くの優秀なブロックチェーン事業家がシンガポールに集まっているのであれば、シンガポールで挑戦するしかない!

一旦、そう決めたものの、眼の前に新たな壁が現れました。

立ちはだかるコロナ渦の現実

それは、なかなか終息時期が見通せないコロナ感染拡大に伴う制限です。

やるならこのブロックチェーン領域が面白そうだし、アイディアは色々頭に浮かぶ。

ただこのコロナ渦で、シンガポールは入国するにも非常にハードルが高くなり、そもそも入国できたとしても厳戒下のシンガポールでは起業の仲間集めもしにくい。

またシンガポールは生活コストが日本以上に高いため、とりあえず行ってみて落ち着くまで待とうと決めたとしても、あっさりと資金ショートで退場させられる可能性もあります。つまり、入国には相当な準備と覚悟が必要。

であれば一旦、MBA取得を理由に学生としてシンガポールに入国し、勉強しながらブロックチェーン界隈に関わるのかどうかと考え、NUS、NTUなどのシンガポールでのMBAも検討しましたが、受験準備から入学までを考えると1~1年半は掛かるので、その期間が無駄になってしまう。

うーん、悩ましい。

どうしたものか。

この領域に興味はあるし、やりたいことのアイディアも頭の中にある。

だが今このタイミングで現地でビジネスを立ち上げ仲間を集めるのは現実的に難しく、学生ビザで入るのも時間を要す。

であればその構想に繋がる仲間を探しながら、自分が次の挑戦時に活きるであろう経験をしてみるのはどうだろうか。

次の自分の挑戦に活きる自分に足らない経験。

スタートアップ経営者としての自分は、事業を自ら構想して立ち上げ、チームを組成し、ある程度の規模感まで事業を伸ばすことができました。

つまり事業における0→1、そして1→10は体現したと思います。

また100→1,000の組織を更に大きくするプロセスも新卒の丸紅時代に既に経験ができたので、組織が組織として利益を最大化させていくプロセスも理解できていると思います。

ですがその中間にある10→100については、まさに昨年末に調達していた資金を活用して挑戦する予定だったので、ここの経験が欠如していることを認識しました。

であればこの10→100の経験が積める組織で挑戦をするのではどうか。

10→100というと、自分の中のイメージではスタートアップのシリーズA ~ 上場前。

ではこの中で、自分が今後挑戦したい中長期的に伸びる事業ではなく、この2~3年がまさに勝負の伸び盛りの業界はどこだろうか。

この条件を前提に考えると、頭に浮かんだのはまさに自分がミャンマーで挑戦していたのと同じフードデリバリー業界でした。

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フードデリバリー戦国時代

フードデリバリー市場はコロナ渦のステイホームで最も追い風を受けた業界の1つであり、日系の出前館、menuだけでなく、Uber Eats、DiDi、Food Panda、DoorDash、Woltなど海外でも知名度が高く資金力もある外資系企業が共にしのぎを削っています。

日本は未だにフードデリバリーの利用率が他先進国比で低いからこそ、各社は大量のマーケティング予算(クーポン)を市場でばら撒き、赤字垂れ流しで顧客開拓に取り組んでいます。世はまさにフードデリバリー戦国時代。

自分のHi-Soでの経験も活かせるこの業界じゃないか。

そのように考え、フードデリバリー業界の中でも海外でネームバリューがある外資系複数社と、エージェントからたまたま紹介された日系1社の選考を受け、それぞれオファーを得ることができました。

日系企業の良さは、Hi-So時代の知見も活かせる業務内容や役職と、改めて外資系メガベンチャーと無謀な戦いを繰り広げることに対するワクワク感。

一方で外資系の良さは、入社時の役職や業務内容は日系に劣るものの、海外でも通用するネームバリューと日系よりもさらに高待遇な報酬。

やりたい仕事とワクワク感は日系。ただ、将来的に海外で再挑戦するのであれば、信用の担保に成る外資系大手のネームバリューも捨てがたい。

うーん、悩ましい。

そんな時にふと頭に浮かんだのは、昔から選択に迷った時に大切にしていた言葉。

迷ったらワクワクする方へ。

この10年間のベンチャーシーンを客観的に見ると、資金力があるものが市場で勝ってきましたし、再挑戦時に活きるネームバリューや待遇面を考えると選択するべきは外資系だと思いました。

ですがミャンマーで札束の暴力に苦しめられた本人が、今度は札束で暴力を振るう側にいくことには全くワクワクしません。

それよりも自分の知恵を活かして、たとえ少ない可能性であったとしてもジャイアントキリングを目指す方がワクワクします。

今までの人生、自分のワクワク感を大切に生きてきた結果、非常に楽しく過ごせてきたので、今回も自分のワクワクする直感に掛けたい!

 

 そこで最終的に自分の挑戦する道が決まりました。

 

結論

私、高田健太、menu株式会社で働くことを決断しました!(実は9月末から働いています笑)

Hi-Soで成し得なかったジャイアントキリングをmenuで成し遂げたいと思います。

現状、menuは国内三番手のフードデリバリープラットフォームではあるものの、Uberなど他デリバリープラットフォームに比べると資本力は劣っており、Hi-Soが知恵を絞りながらGrab, Food Pandaと戦っていた状況と非常に似ています。

資本的制約があるからこそ、常に何が出来るか知恵を絞って行動を起こしていく。

これこそmenuが市場で生き残って勝つために必要な要素であり、そこを自分としては推し進めていこうと思います。

イノベーションは制約下で追い詰められるからこそ生まれます。

次なる挑戦時に必要なのは、たとえ困難な状況下においても知恵を絞って敵と戦い勝つ能力たと気付いたため、Hi-So時代のように引き続きもがき苦しみながら、出来ることに取り組んでいきたいなと思います。

具体的にはmenu株式会社の社長室 室長 / Chief of Staffという立場で、同社の成長に繋がる資本提携、業務提携を推進していきます。

ですので、もし当社との協業にご興味関心がある企業は是非、お気軽にご連絡下さい!

 

第二の矢

ただ、この選択を選ぶにあたり、起業家だった自分がサラリーマンに戻ることへの不安もありました。

今まで全ての判断を自分の意志で下していた人間が、勤め人に戻れるのか。

そして、今のスタートアップ起業家としてのマインドが薄れていくのではないか。

サラリーマンに戻るとしても、組織主体の人生ではなく、個人主体の人生が歩みたい。

menuで働きながら、起業家マインドを維持、伸ばすエッセンスは何かないか。

 

これらの不安を解消するには、何があるだろうと考えた時、今年7月に愛知県の起業家向けに勉強会を開催した経験を思い出しました。

その勉強会は、Hi-Soへの投資家の一人であった篠原豊さんからたまたま頂いたお話で、愛知県が運営するインキュベーション施設(PRE-STATION Ai)に入居している起業家に対し、自分自身の海外での起業経験を伝える内容でした。

当初、軽い気持ちで講師を務めた勉強会でしたが、久しぶりに起業家の熱意を間近で感じ、自分自身とてもワクワクした気持ちになったことを覚えています。

この活動に関わることが、自分自身の起業家マインドを維持することに繋がるんではないか。あとやっぱりワクワクするし!

思い立ったが吉日。

すぐに篠原さんへ自分の気持ちを伝えると話がトントン進み、この度、愛知県スタートアップ推進事業でのプロジェクト統括マネージャー(メンター)としてスタートアップ支援活動に携われることになりました!

御存知の通り、愛知県はトヨタを中心とした世界と戦うものづくり企業が集積する日本でも財政規模の大きな地方自治体です。

ですが日本の産業の中心であった自動車産業にもイノベーションの波は続々と押し寄せており、中長期的な産業基盤を考えると産業変革を通じた新陳代謝が同時に求められています。

そうした流れを受け、大村知事の下、愛知県を日本のスタートアップの一大拠点とするべくSTATION Ai構想が始まりました。

STATION Aiとは、2024年には愛知県の鶴舞に開設される日本最大級のスタートアップの創出・育成・展開を図るための中核支援施設で、ここに日本および世界から投資家、起業家を集め、世界でも有数のスタートアップエコシステムを生み出す試みです。

ものづくりスタートアップに限らず、様々なスタートアップが愛知県から生まれるように支援ていきますので、ご興味のある起業家、投資家の方々はお気軽にご連絡下さい。

 

次の挑戦のキーワードは「黒船」

これまで私は、自分の目標として「アジアで財閥を作る!」ということを掲げてきました。

この目標は今も変わらないものの、しばらくアジアに戻らないのであれば、その間の挑戦を表す目標を新たに掲げたいと思います。

その目標は「黒船を叩き、黒船を育て、自ら黒船となる。

 

黒船を叩く

これはまさにmenuでの挑戦。

様々なITプラットフォームが外資系に貪られている日本市場において、将来、国の根幹を支えることになるであろうフードデリバリーを黒船(外資系テックジャイアント)から守り勝つという挑戦です。

「フードデリバリーくらい、別に外資に取られてもいいんじゃない?」と感じる人も多いと思います。

ですが私自身、フードデリバリーが外資に抑えられることは日本の将来の大きな部分を外資系に依存することに繋がると感じています。

そもそも今のフードデリバリーサービスは、”フード”デリバリーという言葉からも分かる通り、”出前”がサービスの中心になっています。

ですがデリバリーサービスの本質的価値は何でしょうか。

それはオフラインサービスと消費者の接点だと私は思っています。

・オフラインのレストランと消費者を繋ぐのがフードデリバリー
・オフラインのスーパーと消費者を繋ぐのがグローサリーデリバリー(ネットスーパー)
  :

つまり、デリバリーサービスの本質は、オフライン市場のオンライン化であり、ここの部分が仮に外資に取られると、街中の店舗ビジネス(e.g.花屋、薬屋、マッサージ屋…)が、彼らプラットフォームの手の平で転がされることになります。

ここを外資系の手に委ねることを阻止し、しっかりと黒船(外資系テックジャイアント)と戦い勝つべくmenuとして挑戦します。

 

黒船を育てる

ここは愛知県でのスタートアップ推進事業での自分の挑戦です。

先述の通り、愛知県は非常に強いものづくり企業が集積しているものの、イノベーションに合わせた産業構造の変革が求められています。

これは愛知県に限った話ではなく、株式会社日本国として今後も世界の国々と戦っていくために必要な新陳代謝であり、世界で戦える有望なスタートアップ(黒船)を愛知県から輩出するべく支援をおこないたいと思います。

 

自ら黒船となる

最後はまさに自分の再挑戦への意気込み。

menuでの黒船(外資系テックベンチャー)叩きと、愛知県での黒船(世界で戦えるスタートアップ)製造の経験を活かし、最後は自ら黒船(スタートアップ)となり世界と戦う。

 

帰国後、約半年間を掛けて自分の将来を悩み、次にどういった挑戦をするのかを考えてきましたが、コロナの感染拡大状況等も鑑み、最終的に起業家としての歩みを一旦止め準備期間に入ることにしました。

果たしてこの選択が正しかったのかどうかは分かりませんが、現状、目の前の選択肢の中で最もワクワクする未来を選べたのではないかと思います。

 

あとは選択したことを正解にするだけ。

 

今、書いたことと5年後、10年後に実際にやっていることは異なるかもしれません。

ですが常に自分の気持ちに嘘をつくことなく、自分らしいワクワクする挑戦を続けようと思います。

 

他の誰でもない、高田健太にしか歩めない人生(エンターテイメント)を。

 

 


TK、アジアで財閥作るってよ(Startup in Asia)をお読み頂きありがとうございました。 

お仕事のご依頼やインターンのご相談等あれば、お気軽にご連絡ください。

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